トップへ > カツラ、植毛、育毛剤、すべてを実践した男のシンデレラストーリー > カツラは彼女にバレないのか?

カツラは彼女にバレないのか?

カツラ(業界用語でいうこところの「製品」)を着用して半年くらいして、彼女ができました。
そんな彼女が家に泊まりにくるというんです。

私は嬉しい反面、かなり狼狽しました。


一番心配だったのは、一緒にシャワーを浴びることです。


「髪を洗ってあげる」などと言われたら、たまったものではありません。
彼女の指が製品のネットにひっかかるかもしれないし、透明ラバー部分の頭皮とは明らかに異なる触感でバレるかもしれません。


何としても一緒にシャワーを浴びることだけは避けなくてはいけません。


それだけではありません。
製品は乾きにくいし、濡れた製品は、地毛とそうでない毛の差が顕著に出ます。


ドライヤー中に覗き見されるようなことがあってはありません。
かといって、ドライヤーで乾かす時間が長すぎれば、やはり怪しまれるでしょう。
つくづくこの製品というやつは、厄介な代物です。


夕食を食べた後、彼女が肩を揉んでくれると言い出しました。
彼女は椅子から立ち上がり、椅子に座ったままの私の後背に周り、肩に手をかけました。


その時、「カツラみたいな髪ね」と彼女が痛烈な一言を言ったんです。


まさかの一言です。
「痛恨の一撃」と言ってもいいでしょう。


しかし、こんなことでカミングアウトすることはできません。
そもそも同僚や友人にもバレてはいないはずなんです。


それに「カツラみたいな髪ね」とあえて言ってきたということは、裏を返せば、彼女がカツラだと気づいていない証明でもあります。


カツラの人に向かってカツラと言えるような勇気のある、あるいはKYな人はまずいないはずです。
まして、彼氏に面と向かってカツラと言える彼女は希少でしょう。


動揺を悟られないように呼吸を整えつつ、「カツラみたい?変なことを言うね。どうしてそんなことをいうの?」と私が言うと、彼女は、「つむじの辺がね、何だか自然じゃない気がして」と答えたんです。


普段は鋭いとは全然思わないが、この時だけは鋭いと思いました。


さて、どうやってごまかしましょうか。


「バカなこと言ってないで、さっさと肩揉んでよ」と話題を変えようとしつつ、疑惑を払拭しておこうと、「そんなに彼氏をカツラにしたいのか? だったら引っ張ってみればいいじゃん」と反撃に出てみました。


実際に引っ張られたら、その瞬間に製品着用の事実が露見しちゃうんですが、そこは、「まさか、彼女はそこまでしないだろう」という安心感がありました。


もちろん、ひっぱられる可能性もゼロではないんですが、その時はスッパリ別れる覚悟でした。


結局、彼女は私の髪(製品)を引っ張ることはせず、やさしく肩を揉んでくれました。


こうして、最大の危機は去ったのです。


彼女による肩揉みとその際の「カツラみたいな髪ね」という問題発言を何とかしのぎきったものの、今度は入浴タイムです。
一緒にシャワーを浴びることだけは避けたいんです。


そこで、食後の洗い物を志願して、入浴の時間を自然にずらすことにしました。


その後、自分独りでシャワーを浴び、念入りにカツラ(業界用語でいうところの「製品」)を乾かして(本来は生乾きでもいいはずなのだが、製品の場合はそうもいかない・・・)、彼女と一緒の布団に入りました。


⇒ 次は「ヅラに静電気は厳禁」